2010年12月05日

津軽三味線〜降り注ぐ歌〜山本竹勇&Yellow Package

先週だっただろうか?
友人の佐藤さんから本当に久しぶりにEメールが届いた。
彼女はいつも僕の公式ブログをチェックしてくれている。
僕が書くブログの内容でいろいろディスカッションができる
数少ない友人である。
そんな佐藤さん、12月4日に蓮田に来てライブを観てほしいとのこと。
そんなに改まらなくてもいいのに、と思いながらも
内容は津軽三味線とサックスとパーカッションの即興ときき
ついつい先入観を持ちながら今日を迎えた。
どんな即興なのだろう?どんな音楽なのだろう?
蓮田市教育委員会、蓮田市中央公民館が主催する
「山本竹勇による津軽三味線の真髄と魅力」2010年ファミリーコンサート
会場は会議室のような場所で音響などはない状態。
どのような音になるのだろうか?と少々疑問を感じながらも席についた。

風の中から浮かび上がるような音が広がり始めた。
初めて生で聴いた三味線の音は想像を絶していた。
なんとやわらかい音なのだろう。なんときれいな音のつぶなのだろう。
闘うイメージがあった津軽三味線であったがその私の中にある陳腐なイメージ
はどこかに吹き飛んでしまった。
山本竹勇氏曰く、津軽三味線を演奏する者は「ボサマ」と呼ばれ
差別的扱いを受けていたとのこと。三味線を演奏しなければ
食っていけなかった、という過酷な環境、そして三味線を聴いてもらう
ために農家の繁忙期が過ぎた寒い冬、ここでしか演奏をしてお金を得る
機会がなかった。このような歴史が昭和のはじめまで続いていた、
という話だ。どこか黒人ブルースの源流にも似ている。
そして山本竹勇氏が受け継いでいる高橋竹山の流れ、
この高橋竹山はこの世で最後の「ボサマ」であったのだ。
そして、津軽三味線とは三味線の種類などではなく、
津軽の民謡を演奏するという意味での津軽三味線であったということは
今日はじめて知ったことだった。

山本竹勇氏が演奏しているとき、そこには彼本人ではない
何かが彼本人に降り注がれていて意識とは違う何かが
演奏していた。それはおそらく天空に住むボサマたちの魂の歌なのだと
私は感じた。
その中でも最初に演奏された「中じょんから節」は様々なすべてが
凝縮されていると私は感じた。
伝統の重み、名前を受け継ぐと同時にその魂を受け継いでいく、
その重みは永きに渡り受け継がれ続けなければならないと思うし、
それがあるからこそ、次の展開、新しさへの挑戦が生まれてくるのだと。

山本竹勇氏と共に組まれているユニット、第2部は
「Yellow Package」の登場である。伝統を魂に刻み込んで
織り成される新しさ、即興の世界の始まりである。
メンバーは山本竹勇氏のほか、サックス・フルートのTommy G氏
アフリカンパーカッション・クリスタルボウルの
わきたにじゅんじ氏の三人によるユニットである。
完全即興ではなくジャムセッションという感じである。
メンバーは皆プロミュージシャンでそれぞれに忙しく
この3人が揃って演奏できるのはなかなか珍しいこととのことだ。
中でも「竹シャッフル」は私が愛してやまないファンクのグルーヴ」が
とても気持ちよかった。
そして即興で織り成していく音によるアンサンブル、
音で紡がれるストーリーこの節々は熟達した音楽家であるからこその
ツボの世界がありそれをたっぷりと味わえたことにとても大きな
満足があった。今まで私がやってきた即興の中でなかなかその
醍醐味を味わえずにいたのだが今日はその即興の「粋」に触れることが
できたことがとてもうれしかった。

コンサート終了後、山本竹勇氏と佐藤さんと踊りが好きなファンの方と
私で飲みに行った。そこでたくさん話したこと、
お話を聞かせていただいたこと、とても感性が豊かになった
とても素晴らしい時間であった。

音が生まれていくこと、それはやはり音を探し求めていることであり
そこに一息の魂を吹き込む、これが生きた音楽なのだと改めて確信できた。

今後私もいろいろつなげていけるようにがんばっていこうと思った。


山本竹勇 バイオグラフィ
埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ

1973年、峰村流民謡三味線を峰村利松繁、峰村利松師に師事、
その頃に高橋竹山のレコードを聴いて感性を刺激され、独習を始める。

その後東京にて高弟の高橋栄山と故成田雲竹の愛弟子である
須藤雲栄に手ほどきを受けて開眼、
竹勇の名を許され、竹山流津軽三味線と津軽民謡・国風雲竹流の師範となる。

「津軽三味線と津軽方言詩の世界」や「祭り組曲」等を創作し、
高橋竹山ジョイント公演のプロデュース、ステージディレクターなど、
全国公演やライブハウス他、海外でも高い評価を得ている。

1998年のロシア日本大使館主催によるモスクワ公演では絶賛を浴び、
チャイコフスキー音楽院にも招待された。
その後2003年3月には在ハバロフスク総領事館主催の
日本文化フェスティバル「日本の南と北の音」にも参加。
また、1999年にはケープタウン、ヨハネスブルクで開催された
在南アフリカ大使館主催のJapan Festival '99や、
2007年5月に開催されたバルト三国のリトアニア・アリタス市主催の
第3回盆栽・水石展覧会Japanese Art Festival'07では
初の津軽三味線公演を成功に導き大好評を得た。
同2007年、中国上海で、2008年6月にはベトナムで親子ライブを、
2009年8月にはサイパン島戦没者慰霊コンサートと地元ライブを開催。
1996年、アフリカンパーカッション&クリスタルボールの
「わきたにじゅんじ」、サックス&フルートのTommy Gこと
「富永ことぶき」と共にイエローパッケージを結成。
その他クラシックやジャズ、モダンダンス、朗読詩人や語りとの
コラボレーション等、異種ジャンルとの融合を試みるなど、
多才な活動を展開。
その柔軟な音楽性は、古典的な「三味線」という世界を以ってより
現代的であり、教育関係からも絶大な支持を得ている。

高橋竹山Web site
http://chikuzan.org/index.html

山本竹勇Web site
http://www.tikuyu-shamisen.com/

posted by てつろう at 02:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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